歴史学あれやこれや

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「西郷どん」西郷菊次郎に関する新史料と新発見【論文紹介】

佐野静代「西郷菊次郎の来歴に関する再検討 : 横浜・米国・台湾・京都 」(『人文学』202号、2018年11月)
以下のURLに全文ファイルあり
https://doors.doshisha.ac.jp/duar/repository/ir/26402/?lang=0&mode=1&opkey=R154355153624094&idx=6&chk_schema=10000&cate_schema=10000

西郷菊次郎に関する史料の発掘と基礎的な分析を行い、その前半生における経歴の空白部分の解明を試みた。特に海外所蔵の新史料の検討により、横浜居留地での生活実態や、ジョンズ・ホプキンス大学での留学時代と恋愛、新納家との養子縁組、台湾淡水・基隆での近代水道事業の実施など、これまで知られていなかった彼の来歴の一端をうかがうことができた。さらに、京都市長時代の邸宅が、聖護院門跡内の「北殿」であったことを史料から裏付けた。 】

人文地理学や地誌学で業績ある同志社大学の佐野静代教授による新報告。
西郷菊次郎に関する新資料や知見。
新渡戸稲造西郷菊次郎との関係など、今まで知られていなかった事実を史料から明らかにされている。

昨今、大河ドラマ西郷どん」でも、西郷菊次郎は注目の的である。
西郷菊次郎の子ども時代は天才子役・城桧吏、青年時代を注目の役者今井悠貴が演じ、またナレーションの西田敏行が市長時代の菊次郎を演じる演出でも話題になった。

今までその来歴の詳細が不明な部分の多かった西郷菊次郎であるが、この研究は彼について知る第一歩であり、西郷菊次郎研究の基礎となるだろう。
近現代史明治維新西郷隆盛について興味がある皆様には必読であると思われる。